番外編SS「超短編・3編」



1、「キャプテン・翼ごっこ」

<ダニエル・ルパートバージョン>



ダ「ルパート!『キャプテン・翼』ごっこしようよ!」

ル「うん、いいよ!」

ダ「じゃ、僕『翼』ね!」

ル「じゃ、僕『小次郎』!」

ダ「ダメだよ!ルパートは『岬』だよ!だって、『岬』にならないと『翼』とコンビが組

めないじゃないか」

ル「そっか・・・うん、じゃ僕『岬』でいいよ」


二人は位置に付いた。


「よぉ〜し!じぁあ、行くぞぉ、ルパートォ!」


ダニエルが「翼」になりきって小走りした。


ル「え・・・ダメだよ、ダン。僕の事、『岬君っ!』って言わないと」

ダ「でも僕、『ルパート』って呼びたい」

ル「え〜っ・・・!?ん〜・・・じゃ、変だけどそれでいいよ」

ダ「じゃ、もう一回やるね。行くぞぉ、ルパートォ!

「よぉ〜し、来い、翼君っ!」

ダ「ダメダメ!ルパートも僕の事、『ダン』って呼んでくれなきゃ!」

「えぇ〜っ!?」

ダ「だって、他の男の名前なんか呼ばないで欲しいんだもん」

ル「・・・う〜ん、分かったよぉ。じゃ・・・来い、ダン!


ルパートは渋々ダニエルの「設定」に付き合った。

二人は部屋の中で、「スーパーボール」をサッカーボールに見立てて走り出した。

ダニエルは楽しそうだ。

ルパートも最初こそ不思議がっていたが、すぐに馴染んで喜んで遊んでいる。

二人は互いの名を呼び合い、キャッキャツと盛り上がっていた。


ジ「・・・もはや、『キャプテン・翼』ごっこじゃねぇな」


たまたま二人の部屋の前を通り過ぎたジェームズが、ボソッと呟いた。

 

 

2、「一番大切なモノ」

<ダニエル・ルパートバージョン>



ル「僕・・・ダンがいないと、多分悲しくて死んじゃうよ」


ドッキン!


ある日、愛する兄ルパートからそんな事を言われたダニエルは、天にも昇る気持ちだった。


ダ「ほ、ホントに?」

ル「うん・・・僕はダンがいないとダメなんだ・・・」


ルパートのその言葉に、ダニエルは感極まって少し涙ぐんでいた。


ル「でもね、一番大事なのはホントは『命』!」

ダ「・・・え?」

ル「そして、二番目に大事なのは『水』!」

ダ「・・・・・」

ル「で、三番目は『しーちゃん』かなぁ〜・・・」

「えっ!?」

ル「四番目は僕の大好きな『カレー』!で、五番目が『ダン』・・・良かったね♪」

「僕は、『カメ』と『カレー』の次かっ!?」


ダニエルが憤慨した。


「カメって言うな!」 

ダ「ルパートが悪いんだ!僕はカメなんかより上だよっ!

「だからカメって言うなっ!」

「うわぁぁぁぁ〜〜〜ん」


ダニエルが大泣きし始めた。


ジ「・・・今のはルパートが悪い」


たまたま通り過ぎたジェームズがボソッと呟いた。

 

 

3、「詩吟」

<オリバーバージョン>



「吟じますっ!」

オリバーが突然、吟じ始めた。

何と・・・「エロ詩吟」だ。

「『レインボー』の前でぇ〜え〜ぇ〜・・・俺が服を一枚ずつ脱ぎ始めたらぁ〜あ〜ぁ〜

・・・。何だか今日は店が混みそうな気がするぅ〜!!」

「あると思いますっ♪」

隣の家から、望遠鏡越しにエマが〆た。

 

 

<レオンハルトバージョン>



「吟じますっ!」

オリバーに倣(なら)い、レオンハルトが吟じ始めた。

「眠っているトム君の布団にぃ〜い〜ぃ〜・・・こっそり忍び込んで添い寝をしたらぁ〜

あ〜ぁ〜・・・。何だか今日はイケそうな気がするぅ〜!」

「・・・それは絶対無ぇっ!」

たまたま通り過ぎたトムが否定した。




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