番外編SS「色んな意味で『あ・うん』の呼吸」


<ある日のオリバーとジェームズの会話>

 

オ「なぁ、アレってどこやったっけ?」

ジ「アレ?アレって何だよ?」

オ「アレだよ、アレ!うー・・・名前が出て来ない・・・」

ジ「あーーー、アレか!分かった。はいはい・・・確かその辺で見かけたけど」

オ「どこだ?」

ジ「そこ!」

オ「そこって、どこだよ?」

ジ「そこだって!」

オ「お〜・・・ここか」

ジ「あったっしょ?」

オ「いや、無ぇな・・・」

ジ「じゃ、あそこか?」

オ「あそこってどこだよ?」

ジ「あそこだ!」

オ「あ、そこか・・・はいはい、あったあった♪」

ジ「悪いけど、婆さん。向こうのソレ取ってくれよ」

オ「コレか?」

ジ「いや、その後ろにあるソレだ」

オ「コレか?」

ジ「違う!ソッチじゃなくって、ソッチの方!」

オ「こっちか・・・ほらよ」

ジ「サンキュー♪」

ト「ったく・・・『アレ』とか『ソレ』とか『そっち』とか『あそこ』とか・・・。アンタ

  ら、長年連れ添った夫婦かよ?」

オ・ジ「コラッ!兄貴向かって『アンタら』とは何だ!『アンタら』とは!」


チャンチャン♪

 



<本日結成!お笑いコンビ「バームクーヘン」>



ト「どーも!バームクーヘンです!俺は主に『ツッコミ担当』の池照トム」

レ「そして僕の名前はレオ〜ンハルト・ハインリッヒ。僕達、何と今日が初舞台なんで

  すよー!ねぇ、トム君?」

ト「・・・・・」

レ「トム君?聞こえてます?」

ト「聞こえてる。ってか、何で俺とお前が『お笑いコンビ』結成しなきゃなら無ぇんだよ。

  それに『バームクーヘン』って何だよ?間抜けな名前だぜ。とろこでレオ〜ンハルト、

  お前何か・・・」


レ「あ、トム君?僕の名前はレオンハルトですよ?僕自身が僕の名前をどうしても延ばして

  発音してしまうのは、それは僕がドイツ人の祖父と韓国人の祖母から生まれた僕の父が

  、更に日本人の妻を貰ったせいで・・・」


ト「うるせぇんだよ。細かい事はいいんだ。で、お前最近楽しい事あったか?」

レ「『楽しい事』ですか?ん〜〜〜・・・あ、楽しい事とかでは無いんですが、発見した事

  があります」

ト「へ〜、何だ?」

レ「トム君!『インスタントラーメン』って知ってますか?」

ト「は?」

レ「ラーメンってあるじゃないですか?それをインスタントで・・・僅か3分から5分で作

  っちゃおうって凄いラーメンの事なんですよ!」

ト「・・・・・」

レ「まず、お湯を沸かします。で、その間に容器のビニールを取って、小袋に入った乾燥具

  材を乾燥麺の上に降り入れます。で、お湯が沸いたら、内側のラインぎりぎりまで注ぐ

  訳です。あとは指定の時間だけ待って、液体スープを食べる直前に入れれば出来上がり

  !何て画期的な食べ物だと思いませんか?僕は感動しましたね」

ト「・・・お前、それマジに言ってんのか?」

レ「勿論、真面目も真面目大真面目ですよ!ね、驚きでしょ?信じられない事ですよね?僅

  か3分かそこらで結構美味しいラーメンが食べれる訳です。いやぁ〜・・・凄いモンで

  すね、科学って♪これぞ日本人の知恵って感じですよ!」


ト「フンッ!純粋な日本人じゃ無ぇくせに、良く言うぜ。あのな、インスタントラーメンっ

  てのは昨日今日出来たモンじゃ無ぇの。俺達が生まれる何十年も前からあるの!日○っ

  て会社が最初、カップヌードルを作ったのは西暦1971年なんだよ!見ろ!会場のお

  客さんがドン引きしてるじゃねーか」


レ「みなさんもやっぱ知ってらしたんですか?そうなんですかぁ〜・・・。すみません、僕

  昨日生まれて初めてカップラーメンと言うものを食べたので・・・」

ト「ケッ!これだから金持ちのボンボンってのは嫌なんだよな。でも、確かにお前に『カッ

  プラーメン』は何か違うな。ちなみにな、レオ〜ンハルト・・・」


レ「あ、僕の名前はレオンハルトですよ、トム君。僕の名前を発する時僕自身が発音に少々

  難があるのは・・・」


ト「うるせぇ!イチイチ説明するな!ちなみにな、レオンハルト。世の中には『カップやき

  そば』ってのもあるんだぜ?」


レ「えっ!?『やきそば』を如何にして3分で作るのですか!?そんな事・・・出来るは

  ずないじゃないですか!?」

ト「それが出来るんだ。詳しくは・・・あ、持ち時間切れだ。って事でまた今度!」

レ「えぇっ!教えてくださいよ〜、トム君!『カップやきそば』は一体どうやって出来るん

  ですかー!あ、トム君ー!先に舞台去らないでくださいよ。ねぇ、トム君ってばー!」



チャンチャン♪



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