番外編SS「時間が無いっ!」




時間が無い中で蕎麦屋に入った池照家の五人兄弟。

スルスルッと食べてサクサクッと店を出たい。

 

店員「ご注文、何にしましょう?」

オ「俺、ざるそば」

ジ「俺も同じでいいや。けど、カレーライスも付けて」

ト「俺もざる・・・あ、うどんの方で」

ダ「僕もざるそば。大盛り出来ますか?」

店員「はい」

ル「僕はねぇ〜・・・ん〜とねぇ・・・ん〜と・・・」

オ・ト「早くしろよ!」

ル「分かってるよ、んもぅっ!ん〜と・・・ん〜とねぇ・・・じゃ、僕、鍋焼きうどん!」

オ・ト「アホッ!」

ジ「こいつの、カレーでいいす」

「えーっ!?」

 

作るのに手間が掛かる上に、食べるのにも時間が掛かる鍋焼きうどん・・・。

時間の無い時のご注文は、どうぞみなさんもお避けください。

 

 


時間が無い中で喫茶店に入った池照家の五人兄弟。

チューッと飲んでササッと店を出たい。

(「時間が無いのに喫茶店入るなよっ!」と言うツッコミは、ここでは無視します)

 

店員「ご注文、何にしましょう?」

オ「俺、ホット」

ジ「俺、アイスコーヒー・・・Lサイズで」

ト「俺、アイスティー。ストレート」

ダ「僕、アイスのカフェオレ。あ、ミルク多め出来ますか?」

店員「はい」

ル「僕はねぇ〜・・・ん〜とねぇ・・・ん〜と・・・」

オ・ト「早くしろよ!」

ル「「分かってるよ、んもぅっ!ん〜と・・・ん〜とねぇ・・・じゃ、僕、クリーム・チョ

コレート・ダブルアイスクリーム・ビック・パフェ♪」

オ・ト「アホッ!」

ジ「あ、こいつもアイスカフェオレでいいです」

「えーっ!?」

 

作るのに手間が掛かる上に、食べるのにも時間が掛かる・・・パフェ。(しかも「ビック」)

時間の無い時のご注文は、どうぞみなさんもお避けください。

 

 


時間が無い中で何とか早く目的地に到着したい池照家の五人兄弟。

最短時間で何とか現地に到着したい。

 

オ「電車かな、やっぱ。乗り継ぎに上手くいけば一番早いと思うぞ?」

ジ「次の停留所から、目的地前までのバスが出てるって情報あるけど?」

ト「けど、バスは時間が微妙だ・・・大通りで流しのタクシー掴まえようぜ?」

ダ「一番早いんだったら小道抜けられる自転車だと思うけど?僕、道知ってるし」

オ「家に五台も自転車無いだろ?」

ダ「あ、そっか」

ル「ねぇねぇ、一番早く着く方法は『どこでもドア』だよ!」

オ・ジ・ト・ダ「・・・・・」


オ「なぁ、考えてる間にとにかく駅行こうぜ」

ジ「そうだな」

ル「ねぇねぇ、『どこでもドア』だったら早いよって、あそこでドラえもんが言ってるよ?

  ドア開けたら着くよって」

ト「ダニエル、お前忘れ物無いか?」

ダ「大丈夫。ほら、ルパートおいで!」

ル「だから、『どこでもドア』だよ!ねぇってばー!ドラえもんが言ってるよ!」

オ「鍵閉めるぞ!ほら、出ろ、ルパート!」

「だから、『どこでもドア』だってばー!」

オ「うるさいっ!」

 

「ネバーランドの住人にしか見えないモノ」は簡単に却下された。

ルパートの意見は、こうして大体いつでも採用されない。

ルパートはそこに居るドラえもんにバイバイして、仕方なくみんなの後に続いた。


「・・・チェッ!」


唯一の抵抗・・・「舌打ち」くらい、どうか許してあげて欲しい。




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