池照家の「かさ地蔵」
★キャスト紹介★
お爺さん・・・・・ジェームズ
お婆さん・・・・・トム
地蔵・・・・・オリバー
地蔵・・・・・ルパート
地蔵・・・・・ダニエル
地蔵・・・・・エマ
地蔵・・・・・めぐみ
地蔵・・・・・レオンハルト
<これより本編です>
昔々ある所に大変働き者ですが、それに輪を掛けて、大変貧しいお爺さんとお婆さんが住
んでおりました。
(「この爺さんと婆さん、何で若いうちに貯蓄しておかねぇんだよ。大体、『働き者なくせ
に蓄えが無い』って・・・一体どういう人生設計してんだ?!」と言う、池照家三男トム
の『おとぎ話に対する激しいツッコミ』は、今は聞かなかった事にしておきます)
もうすぐお正月だというのに、この二人の年寄り・・・家にはお米もお餅もありませんで
した。
(「じゃあ今までどうやって暮らしてたんだよ。この爺さんと婆さん?!」と言う、更なる
トムのツッコミを今は更に無視します。大体・・・今回、トムは「お婆さん役」なのです
。自分の役にケチ付けてはイカンです)
「リアルにヤベェな、婆さん。これじゃちょっと年が越せねぇんじゃん、うち?ははは♪」
ジェームズ爺さん・・・あまり切羽詰って無さそうな「テキトー発言」です。
この人、実際本気に「ヤバイ」と思っているのかが「謎」です。
大体、基本「何とかなるだろう精神」のジェームズ爺さん・・・・・「その日暮らし」も何の
そのです!
「おぃ!仕方ねぇから俺、その辺の藁(わら)でちょっと傘でも編んでみるぜ」
トム婆さんは行き当たりバッタリな計画を思い付き、散らかった納屋から藁をガッサリ持
って来て、結構器用にせっせと傘を超特急で五つほど拵(こしら)え、それをジェームズ爺
さんに持たせました。
「都でコレ、絶対ぇ全部売って来いっ!それまで帰って来んじゃねーぞ!うおっ、さみ・
・・」
トム婆さんはジェームズ爺さんを家から追い出しました。
外は物凄い寒さです・・・雪になるやも知れません。
「こんな傘、今更売れんのかよ・・・『平成20年』だぜ?」
「何か言ったか?」
「いや・・・じゃあ、行ってくらぁ、婆さん」
家の中からニョキッと睨んで来たトム婆さんに愛想笑いをかまし、ジェームズ爺さんはこ
の間「ユニクロ」で買ったフリースを二枚ほど着込んで、のらりくらりと出発して行きま
した。
そして山道の途中、お地蔵様が数体あったので「先週買った『年末ジャンボ宝くじ』、ど
うぞ一等が当たりますように・・・じゃなかったら、『有馬記念』で、万馬券が当たりま
すように」と、かなりデカイ願い事をしました。
ジェームズ爺さんは、どうやら「ビック・ドリームを掴(つか)む」のが夢のようです。
さて・・・都は凄い人でした。
この時期はみんな忙しく道を往来し、ジェームズ爺さんの「ちょっとヘボい藁の傘」なん
かには見向きもしません。
「あ〜・・・傘、傘ぁ!傘とか要らんかね〜?手作りの傘だよ〜!ある意味『お宝モノ』だ
よぉ〜!」
爺さん、持ち前の男前度を発揮して色々声を掛けますが、全く相手にされません。
そりゃそうです・・・本当に「ヘボい傘」なのですから・・・。(「ンだとぉ?」トム談)
「ってか・・・マジ、さみーんだけど・・・ヘ〜ッキシッ!」
それでもジェームズ爺さんは、鼻を啜(すす)り啜り商売しました。
しかし、基本「根性」とか「根気」とか無いジェームズ爺さん・・・とっとと諦めて、ポ
ケットから小銭を取り出し、駅前の漫画喫茶に避難しました。
都一のチェーン店のこの漫画喫茶は、500円払えば何時間でも居て良いと言うサービス
を売り物にした、貧乏人に打って付けの素晴らしいチェーン店です。
ジェームズ爺さんはここの会員でしたので、「いつもの!」と言って「お気に入りのコー
ナー」をチョイス出来ました。
どうやら彼、超・常連のようです。
「サラリーマン・金太郎」「こち亀」「ぼのぼの」・・・そんな本をガサッと自分のテー
ブルに置くと、「ははは♪」を笑い声を上げて、読み始めました。
部屋の中は暖房が効いて、とても温かです。
それに数人の、「微妙な顔のメイド」も居ます。
一方、家で留守番中のトム婆さんは、確かに豪華キャスト陣だけど大して興味の無い年末
の特別番組を観ながら、戸棚の奥にこっそり隠しておいた一粒600円の「ゴディバ」の
チョコレートを4つばかり出して、エスプレッソと共に優雅なティータイム中です。
(「なぁ・・・この『婆さん』さ、まんま『オリバーみたい』だな?(ニヤリ)」トム談)
(「全然違うだろ!?俺は『ゴディバのチョコ』なんか食わねぇ!巣鴨駅前の『大黒屋
の塩大福』だ!(ムカッ)」オリバー談)
(「・・・なるほどな(ニヤリ)」トム談)
夕方近くになり、都にいよいよチラチラと雪が降ってきました。
「四時半か・・・俺もそろそろ帰った方がいいかな。よっこらしょい」
ジェームズ爺さんは漫画喫茶を後にし、一つも売れなかった・・・いや、売る気もなかっ
た傘を持ち、「うぉっ!さむさむ・・・」と言いながら町中を走って家路に急ぎました。
山道はすっかり雪に覆われ、軽く吹雪いています。
「夕飯何かな・・・。俺としては『ビーフシチュー』とか食いたいねぇ〜・・・」
ジェームズ爺さんは、道など無くなってもちゃーんと家に帰るルートを体で・・・いや、
腹で覚えています。
先ほど見たお地蔵様達の所まで帰って来ました。
「ん?」
お地蔵様の頭に、津々と雪が積もってしまっています・・・とても寒そうです。
六体のお地蔵様はガタガタ震えて、ジェームズ爺さんを恨めしそうにジッと見つめていま
した。
ただ・・・その中の一体だけは、すぐ横にいるお地蔵様にベッタリくっ付いていました。
くっ付いているのはダニエル地蔵、そしてくっ付かれているのはルパート地蔵です。
「寒いよぉ〜・・・寒いよぉ〜・・・」
「大丈夫だよ、ルパート。僕が温めてあげてるからね。それにあのお爺さんが、今から僕
達に傘を被せてくれるはずだから」
「えっ!?」
ジェームズ爺さんビックリです。
困ってしまいました・・・そんな気は更々なかったのですから。
「ちょっと、アンタ!まさか私達を無視する気じゃないでしょうね!?」
エマ地蔵は顎(あご)をガクガク震えさせて、ジェームズ爺さんをごっつ睨(にら)んでいま
す。
「みなさん、だらしないですよぉ〜、こんくれいで・・・。秋田はもっと寒いどー?この
寒さが、日本の作物を美味しくするんだぁー」
めぐみ地蔵はいつもの語尾上がりの発音で、鼻の頭と頬っぺたを真っ赤にしてジッと寒さ
に耐えています。
北国出身者・・・流石です。
「・・・分かったよ、分かったよ・・・仕方の無ぇ調子者の地蔵達だ・・・」
ジェームズ爺さんは、持っていた傘を一体一体の頭の上に被せていきました。
「お〜っと!お兄様・・・もとい、お爺様!僕の頭にはまだその傘が被されておりませ
んよ!お忘れないように!あ、自己紹介しておきますが、僕の名前はレオ〜ン・ハル・・・
ムガッ!」
どこからともなく丸めた紙が飛んできて、レオンハルト地蔵の口を塞ぎました。
トム婆さんが何かしら絡んでいる気がするのは・・・気のせいでは無いかもしれません。
「悪いけど五つしか傘が無ぇんだ・・・アンタは我慢してくれ」
ジェームズ爺さんは、レオンハルト地蔵の肩を叩きました。
「・・・あなたの頭の上に一つ乗ってますよ、お爺様」
「お前ね、人を指差すんじゃねぇよ」
どうやら、レオンハルト地蔵がジェームズ爺さんの頭を指差したのが癪(しゃく)に障った
ようです。
「いいじゃねぇか、爺さん!我慢してコイツにも傘を被せてやれよ」
オリバー地蔵は、隠れて自分だけちゃっかり「オロナミン・E」を飲んでいます。
ジェームズ爺さんはブツブツ言いながら、余計な事を言ったオリバー地蔵をキッと睨み付
け、自分の傘を脱いで、それをレオンハルト地蔵の頭に被せてやりました。
「おい、このご恩を決して忘れんなよ、レオ〜ンハルト」
「フン!傘くらいで恩も何もあったモンじゃないわよ!小さい男ね!オリバーとは大違い
だわ!」
エマ地蔵がブツブツと、ジェームズ爺さんに文句を垂れています。
「ほぉ〜う・・・なかなか生意気なネーチャンだな、おい」
「『ネーチャン』じゃないわよ!地蔵よ!」
「大体、何で『可愛い私』が2008年最後に来て、こんな地蔵なんかにならなくちゃい
けないのよ。ジョーダンじゃないわよ、全く!」と、エマ地蔵は言っています。
「それに私はね、寒いのがこの世で一番嫌いなのよ!」
そのセリフに、ダニエル地蔵とルパート地蔵が「プッ!」と噴き出しました。
「何よ?」
エマ地蔵の標的が二体の地蔵に移りました。
「だってエマ、夏は『暑いのがこの世で一番嫌い』って言ってたからさぁ〜」
「うるさいわよ!馬鹿っ!」
「『馬鹿』って言った方が馬鹿なんだよぉ〜!ねぇ〜、オリバ〜?」
ルパートは長男に助けを求めました。
「ちっと静かにしてくんねぇか・・・」
オリバー地蔵は日々の疲れの為、この時間に一眠りしようとしていたようです。
ジェームズ爺さんは、ゴタゴタに巻き込まれるのが嫌だったので、地蔵達の揉め事から
ソォ〜ッと姿をくらましました。
「悪いな、婆さん・・・あのさ・・・傘、売れなかったんだ・・・」
「何っ!?」
家に帰って来た途端、ゴニョゴニョ言い訳するジェームス爺さんに、トム婆さんは尽かさ
ずツッコみました。
「んでさぁ〜・・・え、と、傘なんだけどぉ〜・・・」
ジェームズ爺さんの声が益々小さくなります。
「俺、『全部傘を売るまで帰って来んな』って確か言ったよな?一体何やってたんだよ?!」
どうやら、相当「恐妻家」な家庭のようです、この家・・・。
「しょうがねぇじゃん。世の中のヤツ等はみんな、もっといい傘差してんだよ・・・」
ジェームズ爺さんは言い訳しました。
まさか、「『漫画喫茶』で時間潰していた」とは言えません。
「ったく・・・。じゃあ、とにかく傘そこに出せ。新年明けたら俺が売りに行く」
ジェームズ爺さん・・・ギクリです。
「え、と・・・はは・・・無ぇんだよね、傘。地蔵達にやっちまって・・・」
「お前、馬鹿かっ!?」
「何だと、コノヤロ・・・」
ジェームズ爺さんは身長が十センチちょっとトム婆さんより高かったので、トム婆さんの
後ろから首を締め上げました。
「ぐるじ・・・離せっ!俺は台本通りに演ってるだけだ!」
「あ、そうだった。悪ぃ、悪ぃ〜・・・ツイな。はは♪」
トム婆さんの尤(もっと)もな意見に、ジェームズ爺さんは力を緩(ゆる)めました。
「この馬鹿力が・・・」
「ん・・・何か言ったか?」
ジェームズ爺さん、結構地獄耳です。
「何も言ってねぇよ。仕方無ぇから、もう寝るぞ!」
「そうだな・・・起きてると腹が減るしな・・・」
ジェームズ爺さんは、「ちくしょ・・・どっかファミレス寄って『ビーフシチュー』食っ
てくりゃあ良かったぜ」と思いました。
その夜中の事です。
「おいっ・・・おいって!」
「あ?」
トム婆さんに体を揺すられたジェームズ爺さん。
「何だ?」
「外・・・誰か要る」
「雪だろ?屋根から落ちたんだ・・・」
「違う!誰か何か喋ってる!」
「狼か何かだろ?寝ろよ・・・何時だと思ってんだ?」
ジェームズ爺さんは、煩(わずら)わしそうにトム婆さんに背中を向けました。
「キャッキャッ♪」
パチッ!
ジェームズ爺さん、その「外から笑い声」でしっかり目を覚ましました。
「な?誰か要るんだよ・・・爺さん、お前外見て来いよ」
「お、俺っ!?」
素っ頓狂(すっとんきょう)な声を出したジェームズ爺さん。
爺さん・・・実際結構「こんなの」は嫌いな方です。
時刻が早ければいいのですが、夜中はヤバイ・・・。
「見たくも無いモノ」を見なくてはイケナイかも知れないのです。
「お、俺は今ちょっと、その・・・は、腹が痛くてな。布団から出られねぇ。婆さん行っ
て来いよ」
「冗談じゃねぇっ!こういうのは普通、『男』の役目だろ?!」
「お前、実際『男』じゃねぇか・・・」
「今は違う!」
「・・・こんな時だけ、『婆さん面』しやがって・・・チッ!」
「よしっ!しっかり確認して来いっ!」
トム婆さん、ジェームズ爺さんのお尻をバシンと叩きました。
「アホ!お前も一緒に来るんだよ!」
「え、え、え・・・うわっ、さみ・・・」
トム婆さん、ジェームズ爺さんに引き摺(ず)られて布団から無理やり出されました。
どちらが先頭を歩くかで揉(も)めながら、二人は玄関の扉前まで来ました。
「爺さん・・・開けろっ!」
「戸締りは『女の役目』だろ?婆さん、開けろよ」
「誰が決めた!?」
「俺だ!」
「てっめぇ〜・・・」
トム婆さんはジェームズ爺さんの手を掴んで、ジェームズ爺さんに開けさせました。
「うわ、馬鹿!やめめ・・・ギャーッ!」
ジェームズ爺さんはまだ「何も見ていない」のに、絶叫しました。
「うるせぇな・・・真夜中に・・・」
扉を開けると、目の前で湯気を囲んだ地蔵達がしゃがみ込んでいました。
薪(たきぎ)の火をくべながら、オリバー地蔵が耳を塞ぎました。
「・・・お前達こそ、真夜中に人ん家の前で何してる?」
トム婆さんが問い合わせました。
「傘貰ったお礼に、食いモンとか持って来たんだぁ〜」
めぐみ地蔵が鍋をかき混ぜながら答えました。
「途中で僕達お腹空いちゃったから、ここで少しご飯食べてから帰ろうとして・・・ね?」
ダニエル地蔵がルパート地蔵の口に、串に刺してアツアツに溶けたマシュマロを「あ〜ん
♪」させてました。
「そ、なんだ、よ・・・(モグモグ)。僕達、傘が雪でお爺さんがお餅とお米だった時、『
寒いよぉ〜、寒いよぉ〜』って言ってて、ダンが『あ〜ん♪』って言ったの(モグモグ)・
・・おかわり!」
「・・・ダニエル・・・通訳しろ」
ルパート地蔵のイライラするオカシな説明に、オリバー地蔵が指令を出しました。
「めぐみちゃんがもう、話したじゃん!」
「あ、そうか・・・。ま、じゃあ、そういうこった!」
オリバー地蔵は隠し味にゆず胡椒を湯気の中に振り入れています。
「何が『そういうこった』だ!人ん家の前で焚き火とかするなよ。危ねぇじゃねぇか!な
ぁ、爺さん?ブッ!?」
ジェームズ爺さん、もうちゃっかりめぐみ地蔵に一杯鍋を貰っていました。
「てっめ・・・人が真面目に話している隙に・・・おい、めぐみっ!俺にもよこせ!」
「はいはい・・・ちゃーんとトムさんの分もありますよぉ〜」
「ネギは入ってねぇだろうな!?」
「トムさんのお椀には入れないようにしました〜。安心して食べてくんちぇ〜」
「助かるぜ・・・アチッ!ウマッ♪」
トム婆さんも流石に腹が減っていたようで、ガツガツ食べ始めました。
「所で・・・トム君のその『お婆さん』姿、なかなか素敵ですよ♪」
ドカッ!
レオンハルト地蔵の余計な褒め言葉に、蹴りで返事を返したトム婆さん。
(今年も最後の日と言うのに、常にレオンハルトには冷たい対応のトムのようです)
それからオリバー地蔵が、自ら持って来た日本酒を開けてそれを熱燗にし、酒盛りが始ま
りました。
「今年は『喫茶・レインボー』・・・ホント暇だった。来年はもう少し景気が良くなると
いいなぁ・・・」
「俺はもう一年大学生したかった・・・就職まだ決まって無ぇしよぉ〜。あ、安心してく
れ。『ニート』にはなんねぇから」
ジェームズ爺さんも、いつの間にか「単なるジェームズ」になっています。
「ブランドが今、安くなって助かるけど・・・なぁ、レオ〜ンハルト?」
「そうだね・・・『円高還元』でとてもリーズナブルになっているね。おや、トム君・・・
その靴下はひょっとして、『マルタン・マンジェ』かな?」
「良く分かるな、お前・・・」
「なぜなら僕もほら・・・同じなのです!あ、脱がなくてもいいじゃないか・・・はっは
っはっ♪やっぱり面白いなぁ〜、トム君は♪」
「俺はお前とお揃い嫌なのっ!!」
「仲がいいですねぇ、お二人〜」
「どこがだっ!?大体、めぐみ・・・お前その鍋、一体何杯目だよ!」
「まだ、五杯目ですぅ〜」
「嘘付けっ!」
「・・・ホントは七杯目ですぅ〜。やンだぁ、トムさん〜・・・見んといてくんちぇ〜♪
こっ恥ずかしいかンらぁ〜」
「そういう目で見てたんじゃねぇっ!オカシな取り方すんな!大体、『六杯目』はどこに行
ったんだ?!調子良過ぎるぞ、トドッ!」
「トム・・・そういう言い方よせって何度も言っただろ!?」
オリバーが弟を睨んだ。
「だってコイツ、実際『トド並み』に食うじゃねぇか・・・」
「あはははは♪まさにその通りよ!あははは♪」
エマ地蔵がなぜか突然大笑いです。
「大変だ、エマ。今、『笑い茸』食べちゃったよ・・・」
ダニエルがゾッとした顔で見つめています。
「そんなモン入ってたのかっ!?」
トム、慌ててお椀を置きました。
「あはははははは♪」
「ゲッ!ルパートも笑い出した・・・」
「あはははははは♪お、お腹痛いわ・・・誰か・・・あははは♪」
「あはははははは♪ダン〜・・・助けてよぉ・・・あはははははは♪」
「はっはっはっはっ♪いやいや・・・はっはっはっはっ♪」
レオンハルトもミュージカルの如(ごと)く、爽やかに笑い始めました。
「めぐみぃ〜、お前なぁ・・・ブハッ!」
トムもいよいよ餌食になってしまいました・・・もう、こうなったら泥沼状態です。
「まぁ、いいじゃないですかぁ〜。『笑う門には福来る』って言うしぃ〜・・・フフフ♪」
「は〜っはっはっはっはっ♪・・・すっげーオチだ・・・・は〜っはっはっはっ♪」
「あははは♪ヤバイよ・・これはちょっとヤバイよ!あははは♪」
双子もダニエルも大笑いし始めました。
何だか「ちょっと『出川哲郎』」のようなダニエルのセリフ・・・この方が「ちょっとヤ
バイ」です。
大晦日の真夜中・・・山間の貧しい一軒家の前で、笑いの止まらない怪しい面々・・・。
かなり怖いです・・・。
そんなこんなで今年も終わりますが・・・来年、本当に「福来る」といいですね。
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